- ●狩猟免許及び登録等
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- (1)狩猟の定義と狩猟鳥獣
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- 大正7年に制定された「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」は、平成14年7月全面改正され、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」として公布された。
平成15年4月16日から施行された新法において、「狩猟」とは、法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすること、としており、「法定猟法」とは、銃器(装薬銃及び空気銃)、網又はわなを使用する猟法であり、「狩猟鳥獣」とは、その肉や毛皮を利用する目的、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止する等の目的で捕獲や殺傷の対象となるとして環境省令で定める鳥獣、としている。
日本の鳥獣は約600種であるが、このうち狩猟鳥類は28種、獣類は20種である。
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- (2)狩猟免許試験
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- 狩猟をしようとする者は、知事の行う狩猟免許試験(狩猟について必要な適性、技能及び知識に関する事項)に合格し、狩猟免許を受けなければならない。
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- (3)狩猟免許
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- 狩猟免許には、猟法の種類に応じ下記の3種類がある。
第一種銃猟免許を受けた者は、装薬銃を使用する狩猟ができるほか、空気銃の狩猟もできる。
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- (4)狩猟免許を受けられない者
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- 20歳未満の者
- 精神障害又は発作による意識障害をもたらし、その他の狩猟を適正に行うことに支障を及ぼすおそれがある病気として環境省令で定めるもの(精神分裂病、そううつ病、てんかん)にかかっている者
- 麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
- 自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者
- 鳥獣保護法違反で罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わった日から3年を経過しない者
- 狩猟免許を取り消された日から3年を経過しない者
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- (5)狩猟免許の有効期間と更新
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- 狩猟免許の有効期間は、狩猟免許試験を受けた日から起算して3年を経過した日の属する年の9月14日までである。狩猟免許の更新を受けようとする者は、知事に申請書を提出し、適性試験を受けなければならない。適性試験の結果、支障がないと認められた者には、満了した翌日(9月15日付)で更新され、新しい狩猟免状が交付される。鳥獣保護法違反をしたり適性を欠いたりして狩猟免許の効力の全部又は一部が停止されている場合は、更新された狩猟免状にその旨が記載される。
更新された狩猟免許の有効期間は3年である。
更新を受けようとする者は、知事の行う講習会をできるだけ受けるようにしなければならない。
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- (6)狩猟免許の取消し・効力停止・失効など
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- 狩猟免許を受けた者が、精神障害又は発作による意識障害をもたらし、その他の狩猟を適正に行うことに支障を及ぼすおそれがある病気(精神分裂病、そううつ病、てんかん)になったとき、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者になったとき及び自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなくなったか、又は著しく低くなった者は、免許を取り消される。
- 鳥獣保護法等に違反したとき又は必要な適性を欠くようになったときは、免許の全部又は一部を取り消されたり、期間を定めて全部又は一部の効力を停止される。
- 狩猟免許の全部又は一部が停止されたときは、知事に狩猟免状を提出して、その旨の記載を受けなければならない。
- 鳥獣保護法に違反し、罰金以上の刑に処せられたときは、捕獲許可(法第9条第1項)又は免許は失効する。
- 狩猟免許の更新を受けなかったときは失効する。
- 狩猟免許が取り消され又は失効したときなどは、狩猟免状を知事に返納しなければならない。
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- (7)狩猟者登録と有効期間
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- 狩猟を行おうとする者は、狩猟をする区域を管轄する知事に登録申請書を提出し、狩猟免許の種類、狩猟をする場所、住所、氏名及び生年月日等の登録を受けなければならない。
登録の有効期間は、10月15日から翌年の4月15日(北海道は9月15日から翌年の4月15日)までである。狩猟鳥獣の種類と狩猟期間は下表の通りである。
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- (8)狩猟者登録の拒否と制限
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- 登録を受けようとする者が下記のいずれかに該当するとき、又は申請書に虚偽の記載等があったときは、その登録は拒否される。
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- 狩猟免許を有しない者。
- 狩猟免許の効力が停止されている者。
- 損害賠償保険等の要件を備えていない者。
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- また、知事は鳥獣の生息の状況等を勘案して登録者数の制限をすることができる。
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- (9)狩猟者登録証と記章
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- 登録を受けた者には、狩猟者登録証と狩猟者記章が交付される。登録した狩猟免許の種類や狩猟をする場所を変更しようとするときは、変更登録を受けなければならない。また、住所、職業、使用猟具等に変更が生じたとき及び登録証や記章を亡失したときは、遅滞なく届け出なければならない。登録証も記章も申請すれば再交付が受けられる。
狩猟をするときは、狩猟者登録証を携帯し、狩猟者記章を衣服又は帽子の見やすい場所に着用しなければならない。狩猟中、国又は地方公共団体の職員、警察官等から請求があった場合は、狩猟者登録証を提示しなければならない。
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- (10)狩猟者登録の抹消等
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- 狩猟免許の取り消し、効力の停止又は失効があれば、知事は登録を抹消しなければならない。また、不正の手段により登録又は変更登録を受けたときや、上記の登録を拒否される者のいずれかに該当することとなったときなどは、知事はその登録を取り消したり、6月を超えない期間を定めてその登録の全て又は一部の効力を停止することができる。
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- (11)狩猟者登録証等の返納と報告の義務
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- 狩猟期間が満了したときは登録証のみを、登録を抹消されたときは登録証と記章を、該当することになったその日から30日以内に登録知事に返納しなければならない。また、登録証又は記章の再交付を受けた後に発見したときは速やかに返納しなければならない。
また、狩猟期間が満了したときは30日以内に、鳥獣の捕獲した場所及び捕獲した鳥獣の種類別員数を報告しなければならない。
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- ●狩猟の制限
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- 危険を防止し、第三者の権利保護又は狩猟鳥獣の保護の観点から下記の通り、場所及び猟法の制限がされている。
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- <場所的制限>
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(1)危険防止及び静穏保持のため
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- 知事が設けた銃猟禁止区域では銃猟はできない。
- 銃猟制限区域では、知事の承認がなければ銃猟はできない。
- 公道での捕獲禁止。
- 公園での捕獲禁止。
- 社寺境内、墓地での捕獲禁止。
- 住居の集合地、多数の者が集合する広場や駅などにおいて銃猟はできない。
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(2)狩猟鳥獣の保護のため
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- 鳥獣保護区及び休猟区(3年以内の期間を定めて知事が指定する)での捕獲禁止。
- 指定猟法禁止区域での指定猟法(鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあると認める猟法)による捕獲禁止。
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- (3)第三者の権利保護のため
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- 垣、さく等に囲まれた土地又は作物のある土地では、土地の占有者の事前の承諾がなければ捕獲できない。
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- <猟法の制限>
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- (1)危険防止のため
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- 爆発物、劇薬、毒薬の使用及び据銃、陥穽(落とし穴)、危険なわなを使用する危険猟法での捕獲禁止。
- 日出前及び日没後は、銃猟をしてはならない。
- 弾丸の到達するおそれのある人、飼養動物、建物、電車、自動車、船舶その他の乗物に向かって、銃猟をしてはならない。
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- (2)狩猟鳥獣の保護のため
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- 口径の長さが十番又はこれより口径の長い銃の使用はできない。
- 飛行中の飛行機、運行中の自動車又は5ノット以上の速力で航行中のモーターボートの上からの銃猟はできない。
- 3発以上の実包を充てんできる弾倉のある散弾銃は使用できない(弾倉2発、薬室1発、計3発はよい)。
- 小口径ライフル銃(口径の長さが5.9mm以下)の装薬銃は狩猟には使用できない。
- 小口径以外のライフル銃は、ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシ、ニホンジカの猟のみに使用でき、これ以外の狩猟鳥獣には使用できない。
- 空気散弾銃は使ってはならない。
- 鋸歯のあるものや内径最大長が12cm以上あるとらばさみ、つりばり、とりもち、弓矢、かすみ網、キジ笛等は使用できない。特に、かすみ網は使用禁止猟具と定められ、狩猟目的で所持することも禁じられている。
- 犬に咬みつかせることのみにより捕獲したり、犬に咬みつかせて動きを鈍らせ、法定猟法以外の方法で捕獲することは禁止されている。
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- ●ヤマドリの販売禁止
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- ヤマドリ(加工品を含む)は販売が禁止されている。学術研究や養殖などのために販売するときは、知事の許可が必要である。
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- ●違法捕獲鳥獣の譲渡等の禁止
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- 違法に捕獲し若しくは輸入した鳥獣は、飼養、譲渡し、譲受け、販売、加工等が全て禁止されている。
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- ●罰則について
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- 新法では罰則が強化されており、新規に定められた主なものは下記のとおりである。
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- 狩猟免状に記載された住所、氏名等に変更があったのに、遅滞なく管轄知事に届出をしなかったか、虚偽の届出をした者(30万円以下の罰金)。
- 狩猟者記章を着用しないで狩猟をした者(30万円以下の罰金)。
- 網・わなで狩猟をするとき、その猟具ごとに、見やすい場所に、住所、氏名、登録知事名、登録年度、登録番号を定められた方法で表示しないで狩猟をした者(30万円以下の罰金)。
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- ●弾丸の最大到達距離
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- 弾丸の最大到達距離は下表のとおりである。
最大到達距離は、銃身の長短、絞りの強弱、火薬の種類と量、弾頭又は散弾重量、風向、湿度、気温などの条件により異なるので、猟用標準実包を猟用の標準的な銃から発射した場合を示した。
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