銃を所持する者の一般心得

●携帯・運搬の一般準則
 
 猟銃・空気銃の許可を受けた者でも、正当な理由がなければ猟銃・空気銃を持ち運んではならない。「狩猟」「有害鳥獣捕獲」「標的射撃」のいずれかの用途のためでかける場合のほか、修理のため銃砲店へ持参する場合、保管業者へ保管委託のため持参する場合、転居の場合等は正当と認められる。
 また銃は見る人にある種の不安感を与えやすいので、携帯・運搬の場合には外部から見えないようにするよう義務づけられている。「猟場」あるいは「指定射撃場」に着いて使用を開始する直前までは銃袋に入れるか、適当な容器に入れておくよう配慮しなければならない。
 勿論、携帯、運搬する場合には所持許可証を携帯しなければならないし、狩猟又は有害鳥獣捕獲の場合は、登録証あるいは鳥獣捕獲許可証を携帯しなければならない。
 
●使用についての一般準則
 
(1)使用してもよい場所や時期を念頭に入れておくこと
 
  1. 自分の所持する銃はどの射撃場で撃てるか。空気銃射撃場ではライフル銃や散弾銃を撃つことはできないし、散弾銃のみの指定を受けている射撃場ではライフル銃を撃つことはできない。それぞれの射撃場は公安委員会が指定した種類の銃砲しか使用できないので注意すること。射撃場ごとに発射できる弾の号数も指定されている。

  2. 猟場では、銃猟について、場所的、時間的に細かく規制されているので、あらかじめ充分承知しておくことが必要である。

  3. 猟場であっても、まわりの人に常に気をつけ、少しでも人に危害を与えるおそれのある場合は、近くに獲物がいても撃ってはならない。また獲物であるかどうか十分確認できるまで発射してはならない。獲物だと思って同僚ハンターを撃った例が多発している。
 
(2)銃の機能が完全か安全点検をすること
 
 銃の機能が不確実であったため発射と同時に銃がこわれて怪我をする事故がある。引金機構や機関部の接合部分、先台のゆるみなど頻繁に点検するほか、安全装置に過度の信頼をおかないこと。安全装置は引き金を動かなくするだけのものであり、銃に強い衝撃を与えると、撃鉄のかかりがはずれ暴発するおそれのあることを知っておかなければならない。
 また木の葉や雪片が銃身内に入っているのに気づかずに発射すると、銃身破裂をおこすおそれのあることも知っておき、常に安全点検をくり返すこと。
 
(3)銃を手にしたらまず弾が入っていないか確認すること
 
 銃を手にしたり、又は手から離す場合、必ず弾が装てんされていないことを確認する習慣を身につけること。
 銃袋や銃架からとり出した直後、競技のひとくぎりに銃架に置くとき、狩猟の休憩のとき、また射台から離れるときなど常に残弾の有無を確認しなければならない。まさか弾が入っているとは思わなかったという事故が発生している。
 
(4)銃口は、絶対に人の方向に向けないこと
 
 いかなる場合でも銃口を絶対に人のいる方向に向けてはならない。弾の装てんの有無にかかわらずこれは昔からの鉄則である。
 
(5)発射する場合以外は用心金の中に指を入れないこと
 
 射撃姿勢をとった後、いよいよ発射というときまで引き金に指をかけない習慣を身につけること。
 
(6)銃架に置くときは機関部を開放すること
 
 射撃場で射撃の合間に銃架に置くとき、射撃場内を持ち歩くときなど銃に弾を装てんしていないことを誰が見てもわかるようにするため、元折銃は銃を折り、自動銃は遊底を開き、機関部を開放しておくこと。
 
(7)発射の必要なときまで実包を装てんしないこと
 
 猟場では獲物が飛び出す状態になるまで実包を装てんしないこと。また射撃場では射台(射座)に立つまで実包を装てんしないこと。
 
(8)発射の必要がなくなったとき必ず脱包すること
 
 射撃を中止にしたときはその都度、直ちに脱包すること。猟場を移動するときも僅かな距離でも脱包して移動すること。
 
(9)不発弾を慎重に取り扱うこと
 
 不発のときは遅発のおそれもあるので、暫くそのままにしていること。また不発弾をその場に投げ捨てずに火薬店等で適切に処置してもらうこと。
 
(10)跳弾になるものに向けて発射しないこと
 
 水面、竹林、石など跳弾となる可能性のあるものに向かって発射してはならない。予測のつかない被害がでる場合があるので、十分注意すること。
 
(11)適切な弾を選ぶこと
 
 小さな獲物に大きな弾を選ぶと獲物が台なしになるばかりか危険も伴う。逆に大きな獲物に威力の弱い弾を使うと傷をつけるだけである。射撃場においても競技種目にあった適切な弾を選ぶ必要がある。
 
●事故防止について
 
(1)自分に適した銃を選ぶこと
 
 銃床は、長過ぎても短か過ぎてもいけないし、銃床の握りも自分に合ったものでなければならない。初心者は反動の少ないものを選ぶべきであり、射撃用と狩猟用でも違っているので、用途及び自分に適した銃を選ばなくてはならない。
 
(2)自分の銃に慣れること
 
 銃を持つ者は銃が自分の手足のように使いこなせるように、よく射撃場で練習をして、よく慣れておく必要がある。毎狩猟期に1〜2度出かけるほかは1年中銃をガンロッカーに入れっ放しでは安全な取扱いができるか、疑問である。
 できるだけ射撃場で実射を行って、正しい取扱い、安全な取扱いを身につけるべきである。


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